県内詳細(5月3日まで) |
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5月3日午前8時まで |
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5月1日午後5時まで |
- 4月28日~29日で飯舘村の値が比較的大きく下がったが、上昇する様子が無いことは好ましい。
- 一方で、福島空港(玉川村)の値が微増傾向である。
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県内詳細(4月28日まで) |
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10市町村しか提供してこなかったが、今回は福島県で公開されている、より多くの市町村のデータをグラフ化してみた。市町村は次の合計61地点(グラフの上から下へ)。
- 県北地方(13地点):国見町役場, 福島北警察署桑折分庁舎(桑折町), 伊達市役所, 農業総合センター果樹研究所(福島市), 福島市役所, 福島西 IC, ふくしま自治研修センター(福島市), 川俣町役場, 二本松市役所, 二本松市東和支所, 川俣町山木屋郵便局, 大玉村役場, 本宮市役所
- 県中地方(15地点):三春町役場, 郡山市役所, 福島県農業総合センター, ビッグパレットふくしま, 郡山市立田母神小学校, 郡山市逢瀬行政センター, 須賀川市役所, 小野町役場, 石川町役場, 古殿町役場, 鏡石町役場, 天栄村役場, 玉川村役場, 浅川町役場, 平田村役場
- 県南地方(8地点):鮫川村役場, 西郷村役場, 泉崎村役場, 中島村役場, 矢吹町役場, 棚倉町役場, 矢祭町役場, 塙町役場
- 会津地方(12地点):喜多方市役所, 北塩原村役場, 野沢小学校(西会津町), 磐梯町役場, 猪苗代町役場, 会津坂下町役場, 湯川村公民館, 柳津町役場, 三島町役場, 金山町役場, 昭和村役場, 会津美里町役場高田支所
- 会津・相双地方(13地点):下郷町役場, 檜枝岐村役場, 只見町役場, 相馬市役所, 新地町役場, いわき市三和支所, いわき市小川支所, いわき市勿来支所, いわき市田人支所, いわき市小名浜支所, 小名浜藤原埠頭, いわき市四倉支所, JR久ノ浜駅
- グラフに市町村名がうまく書き込めず、見づらいのはご容赦いただきたい。
- これらの市町村のデータは、午前に1回と午後に1回、又は一日に1回のデータ取得である。したがって、これまで掲載してきた10市町村(一部夜間を除き1時間毎の取得)のような細かい変動を見ることはできない。
- 毎日更新は難しいが、可能な限り、これらの市町村の推移グラフも提供してゆきたい。
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5月1日午前8時まで
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4月29日午後5時まで |
- 飯舘村の減少度合いがやや大きくなっている。戻ってしまったこともあるので、楽観はできないが。
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4月28日午後5時まで |
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25日から田村市の値が上昇していたが、元に戻った。最近としては比較的大きな変動だ。上昇の原因が、原発からの新たな汚染である可能性は、まずない。考えられるのは、次の2点だ。
- 測定地点よりも値が高い別な場所の塵が移動してきて、一時的に滞留し、別な場所に移動していった。
- 何かの都合で(あるいは意図せずに)、一時的に測定条件が変わった。
- a だとした場合、「なぜこれまで起こらなかったのか?」、「このように綺麗に元の値に戻るのか?」という点で説明が難しい。可能性として高いのは、bだ。
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4月27日午後4時まで |
- 前から感じていたが、福島市と郡山市の値は、不思議なくらい接近している。大きな変化だけでなく、細かい変動まで似ていてる。地理的には両者共に中通りという共通点はあるが、40kmも離れているのに。
- 3月24日の19:00に郡山市の値が急上昇したのは、測定場所が変更されたためで、実際に放射能の値が急増したわけではない。それ以後、郡山市の値は、「福島市の値を追いかけ、合体」したように見える。
- これだけ接近した値を維持するには、両者の間に「差を小さくする」何らかのメカニズムがあるように思える。それ以上のことは不明。
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4月26日午後5時まで |
- 遅すぎる感はあるが、4月26日に「(実測値に基づく)積算放射線量の(予測)マップ」が公表された。文科省のHPで探し回ったが電子版が見つからないので、やむを得ず新聞をスキャンしたものを掲載する。こういう超重要な情報は漏らさずに(探しやすい場所に)公開してほしいものだ。
- マップ中の赤い線は、4月22日に掲載した累積グラフ中の赤い点線と意味は同じだ。
- SPEEDIについては、「なぜもっと早く公開しなかったのか」との批判が渦巻いたので、25日から公開されているが、今になっては価値が色あせてしまった。
- 原子力保安院、原子力安全委員会、文部科学省、地方自治体、大学・・・色々な組織が滝のように情報を流しているが、「何を見るべきか」、「どう解釈したら良いのか」は曖昧だ。本ページは、そうしたことを補う目的もあるのだが。
- そうした中、文科省が公開している放射能の知識は、教育現場で使うことを意図して作成されているので、分かりやすくお奨めだ。
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4月26日掲載 |
- 今日はいつもの推移グラフはお休みさせていただき、「いつになったら平常値に戻る?」の予測結果を掲載する。
- これは過去何回か掲載してきたが、いずれも外れている。その原因は、「現在の減少度合いは、これから先も同じように続く」という仮定で計算したが、結果として減少度合いは日を追う毎に小さくなってきたからだ。
- これは、放射能関係に普通に詳しい方であれば簡単に気づく「見落とし」だ(と管理者も気づいた)。汚染直後は「半減期の短い放射性物質」が多いが、時間が経つにつれてそれらは急激に少なくなり、長期間に亘って放射能を出す物質が支配的になるからだ。
- 全ての放射性物質の種類と量が判明して、今後新しい汚染が一切無いとすれば精度の高い予測ができるが、それはおそらく無理だ。
- ということで、「予測は時間を追って適時行う」のが現実的と割り切った。
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今回の予測結果は次の通り。
- 平常値の0.04はかなり遠い目標なので、とりあえずの安心レベルとして、0.1を設定してみた。
- 10市町村中、現状で最も値の高い飯舘村が最も到達日時が遅いわけではなく、減少度合いが最も緩やかな「白河市」が最も遅く、0.1になるのは来年の1月と予測される。
- 逆に、減少度合いが最も大きい「いわき市平」は、6月上旬には0.1に到達すると予測される。
- 多くの市町村では、今年の夏~秋には0.1に到達すると予測される。
- これらの予測が「現状の減少度合いがこれからも続く」と仮定していることは、これまでと同じである。減少度合いは徐々に緩やかになってきており、今後更に緩やかになる可能性は十分ある。更には、原発で何か悪いことが起きて汚染が増えてしまう危険性もある。したがって、今回の予測結果は「最短」と考えていただきたい。
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4月24日正午まで |
- 縦軸の数値を右側に移動した。この方が最新の値を読み取りやすいと思う。
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4月24日午前8時まで |
- 1ページに全てを表示するのは重くなってきたので、3月20日~4月10日の分はこちらに移動した。
- ここ1週間で
順調に減少している市町村とそうでない市町村がある。
- 順調に減少:いわき市平、飯舘村、福島市、郡山市、南相馬市
- 横ばい:白河市、田村市、会津若松市、南会津町
- 増加:福島空港(玉川村)
- 唯一の増加傾向にある福島空港は、(何度も書くが)細かい変動も大きく、他の市町村とは異なる特性を示している。「飛行機の離着陸が影響しているのではないか」との見解も聞いたことがあるが、真相は不明。
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微量放射線の健康へのプラス効果について:(以下の内容には、批判的な見解も多いことをお断りしておく。)
- 被曝放射線量が、自然界から受ける量よりは多く健康に害がある量よりは小さい場合、健康にプラスの効果があるとする見解が存在する。「放射線ホルミンス効果」と呼ばれる。
- お酒も一度に大量に飲むと死に至るが、少量を長く飲み続ければ「百薬の長」と呼ばれるのと似ている。
- 電力中央研究所の資料では、マウスによる実験で、癌や糖尿病疾患の延命や改善が示されている。
- 微量放射線の健康へのプラス効果を謳った温泉(放射能泉)、岩石などの商品が存在する。
- 福島県内には、そこに住んでいるだけで「放射能泉」と同レベルの放射線量を受ける市町村がある。放射能泉ファンは、福島県に住みたくなるかもしれない。
- だが、微量放射線が健康にプラスになることが事実であっても、放射線レベルが「管理されていない」つまり、再び急増する危険性が排除できない現状では、避難などの措置はやむを得ないと思う。
- 「健康の追跡調査」が実施されるようだが、悪い影響だけでなく、良い影響があったかどうかも調査すると良い。
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4月22日午前8時まで |
- 今日(4/23)は公共機関の公開データの更新が遅れているので、昨日の朝までの累積値を掲載しておく。計算方法はこれまでと同じだ。
- 飯舘村の累積値は、1回の胸部X線CTで受ける被曝量を越えている。(1回に多量の放射線を浴びた場合と、累積でそれと同じ量の放射線を浴びた場合とでは、前者の方が影響が大きいとする実験結果もあるが、現状では両者の影響は等しいと考えることになっている。)
- 4月19日に掲載したメッシュモニタリングを考慮すると値が変わってくる。10市町村の推移データで使われている測定地点の値は、メッシュモニタリングでの平均値とは異なるからだ。考慮すると次のようになる。
- 飯舘村:8319 → 11277
- 福島市:3837 → 3495
- 郡山市:2011 → 1267
- 白河市:1043 → 1177
- 南相馬市:1281 → 3698
- 田村市:389 → 988
- いわき市:807 → 1233
- 福島空港(玉川村):355 → 324
- 会津若松市:258 → 367
- 南会津町:84 → 116
考慮後の値 = (推移値の累積値)×(補正係数) で計算し、補正係数=(メッシュモニタリングでの1m平均値)÷(4月12日から16日までの推移値の平均値)である。
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4月22日午前8時まで |
- 今日は、3月15日前後の急上昇の様子を再度振り返ってみたい。これを眺めることで、放射性物質が福島第一原発から各地に、どのように運ばれてきたかを推測する手がかりになるかもしれないと思ったからだ。一番下のグラフがそれだ。
- まず分かることは、局所ピーク(ごく短時間での急激な上昇と減少)が見られる市町村と見られない市町村があることだ。4月16日に書いたように、これはヨウ素134による汚染である可能性が高いと考えている。
- 局所ピークが顕著に見られる市町村:いわき市平と南会津町である。いわき市平より約16時間遅れて南会津町でピークが観測されている。
- 局所ピークが全く見られない市町村:飯舘村、福島市、郡山市である。
- 局所ピークが少し見られる市町村:白河市、南相馬市、会津若松市である。
- これらから推測できるのは、汚染には北回りルートと南回りルートがあったらしいことだ。北回りルートで汚染されたのが飯舘村、郡山市、福島市であり、南回りルートがいわき市と南会津町だ。白河市と会津若松市は両方のルートから汚染された可能性がある。
- 南相馬市の特性は他の市町村とは異なる。他の市町村で爆発的上昇があった以前から、3~4マイクロシーベルト/時の値が観測されていることだ。(グラフが線で繋がっていないので見づらいが。)南相馬市の汚染ルートは他の市町村とは別と推測される。
- 謎なのは、飯舘村での急上昇があった1~2時間前に、郡山市で急上昇が観測されていることだ。北回りルートは、更に細かいルートに分かれていたのかもしれない。
- もう一つの謎は、いわき市経由で南会津町へ汚染が進み、かつ局所ピークがヨウ素134によるものだとすると、16時間も経過すれば南会津町では全く局所ピークは観測されないはずであることだ。 → 4月23日追記:テクネチウム99m(半減期 6時間)の方が可能性が高い。実際、2~4号機のタービン建屋の汚染水から検出もされている。なお、テクネチウム99mは核医学的に有用な物質で、血流測定剤、骨イメージング剤、腫瘍診断剤の放射線診断薬などに使われているそうだ。体内に取り込まれても、ほとんどが速やかに排泄されるらしい。
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4月21日午前11時まで |
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10市町村の推移:
- 昨日のコメントで、「飯舘村での19日15:00の急減は雨と関係がありそうだ」と書いたが、外れたようだ。今日のグラフを見ると上昇している。雨で放射性物質が流されたとすれば、雨があがって戻るということは考えにくいからだ。飯舘村では、昼に上昇し夜に下降する傾向があることは3月26日に書いたが、その変動が何かの原因で大きく起こっただけなのかもしれない。
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メッシュモニタリング結果(一昨日掲載)の考察:
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1mと1cmとの比(1cmの値÷1mの値)を、2727地点全てで見ると次の通りになる。
- 平均値:1.28
- 最小値:0.68
- 最大値:3.08
- 標準偏差:0.20
全体の98%の地点で
1.00~2.00の間に入り、2.00を超える地点は全体の0.5%である。また、全体の1.4%の地点では、1mの値が1cmの値より大きいという「逆転現象」が起こっている。逆転現象が起こる場所に共通の特徴があるかどうかは不明である。
- 明日も引き続き考察したい。
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4月20日午前8時まで |
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10市町村の変化推移:
- 飯舘村の値が19日の15:00から16:00で、4.24から3.89に急減した。気象庁の記録を見ると、この日、飯舘村では11:00頃から雨量が多くなり、14:00~15:00に3.5~4.0mm/hの雨量を記録している。この雨量は「跳ね返りで足元が濡れる」ほどではない。風向は東~東北東~北東で、風速は15:00前後が大きいわけではなかった。放射能値の減少は降雨との関係があるかもしれない。
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昨日掲載したメッシュ・モニタリングのグラフについて:
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次のことが言える。
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推移を測定している代表的観測地点の値と、メッシュ・モニタリングの平均値とは異なる。4月14日0:00の代表的観測地点の値と比較すると次のようになる。以下は、【メッシュ・モニタリング1m平均値, 1cm平均値】, 代表的観測地点の4月14日~4月16日の平均値の順に記載。
- 飯舘村:【6.90, 8.79】 5.09
- 福島市:【1.74, 2.37】1.91
- 郡山市:【1.16, 1.58】 1.84
- 白河市:【0.79, 1.03】 0.70
- 南相馬市:【1.79, 2.34】 0.62
- 田村市:【0.61, 0.78】 0.24
- いわき市:【0.55, 0.66】 0.36
- 玉川村(福島空港):【0.31, 0.37】 0.34
- 会津若松市:【0.27, 0.34】 0.19
- 南会津町:【0.11, 0.13】 0.08
- 代表的観測地点の値の方が高い場合も、低い場合もあるので、今後推移値を見る場合は、この差異を頭にいれておくと良い。特に差異が大きい南相馬市、田村市は注意した方が良い。
- メッシュ・モニタリングの値の広がりは市町村によって大きな違いがある。例えば、いわき市、玉川村、会津若松市は広がりが小さく、大きなピークが一つだけである。これに対して、福島市、南相馬市、南会津町は広がりが大きく、接近した値の複数のピークを持っている。
- いわき市は県内でも面積が広い都市で、メッシュモニタリングでも最大の標本数だが、場所による値の違いが非常に小さい。減少度合いが大きいことと併せて、いわき市の特性については、更に注意深く見てゆきたい。
- 明日も引き続き考察したい。
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4月19日掲載 |
- 今回はいつもの10市町村のデータはお休みさせていただき、代わりに、福島県で4月12日~16日に実施された、「モニタリング・メッシュ調査結果」から、10市町村のデータを抽出してグラフ化したものを掲載する。
- この「モニタリング・メッシュ調査」は、県内2727箇所で、地上高1mと1cmの放射能値を測定したものである。ほとんどが「道路」または「公園」であるが、学校や幼稚園も少数含まれている。
- これまで、ここで掲載してきた10市町村のデータは、市役所等の「代表的場所」のスポットで測定した値であり、その他の場所でどうかは分からなかったが、ある程度分かるようになることが期待される。
- 考察は次回以降に回させていただき、今日はグラフの見方と注意点のみを書く。
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グラフの見方:
- 横軸:放射能値を対数で表している。対数にした理由は、同じスケールのグラフで10市町村全てを表示したいからだ。
- 縦軸:正規化した頻度である。グラフの中の■(または×)の点の値を全て足し算すると、100%になるということだ。こうすることで、市町村毎に標本数が異なっても、同じ土俵で比べることができる。
- 一例として、飯舘村の1mで「7マイクロシーベルト/時」付近の値になるのは、飯舘村の中で20%強を占める地点であるということが分かる。
- また、グラフ中に表示してある基本統計量を見ていただければ、数値で把握することもできる。
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注意点:
- 横軸を対数軸で等間隔のデータ区間をとるということは、横軸が高い値になるほど、一区間の幅は広がっているということになる。これは普通は使わない手法であるが、見やすさを優先した。
- 専門的になって申し訳ないが、このようなグラフを提示する場合、「確率密度関数」を使うのが一般的である。しかし、それでは直感的に理解できないので、あえて頻度のグラフにしてある。
- したがって、■と■(あるいは×と×)の間の数値を読み取ってはならない。あくまでも■(あるいは×)の一点の値だけが意味を持つグラフであることをご理解いただきたい。
- そうした意味からは線グラフではなく棒グラフにしたかったが、横軸を対数にするには線グラフでないとExcelが書いてくれないようだ。
- グラフは統計的処理が目的なので、「自分の住居付近はどうか?」は、グラフからは分からない。そのような用途には、元データから知りたい場所にできるだけ近い場所のデータを探し出していただくしかない。大変な量だが、こちらで閲覧可能である。 → 福島県のHP。
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4月18日午後4時 |
- 縦軸がリニアのグラフは、初期の頃の爆発的増加を見る以外にはあまり効用が無くなってきているので、次回からは、縦軸が対数のグラフ2枚(データ操作なし版 と 24時間移動平均版)を主体とする。
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4月16日午後9時 |
- 横軸がだいぶ混み合ってきたので、凡例を削除して見やすさを改善してみた。
- 24時間移動平均のグラフも追加した。だいぶスッキリ表示できて解りやすい。
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4月16日掲載 |
- 今日は10市町村のグラフはお休みさせていただき、「局所ピーク」についての検討結果をお知らせする。
- 「局所ピーク」は、管理人が勝手につけた呼称で、グラフ上で非常に短い時間帯に放射能値が急激に上昇し下降する現象を指している。
- 局所ピークは、いわき市平、南相馬市、白河市、南会津町で顕著に見られるが、今回はいわき市平のデータで検討してみた。
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グラフを見ると、時間的にはA~Dの4箇所で発生している。このうち、AとDは、複数の局所ピークが重なっているように見えるので、BとCについて数値を検討することとした。
- B:3月16日04:00に5.45の最大値を観測し、その1時間後に半分以下の2.42に減少した。
- C:3月16日11:00に8.35の最大値を観測し、その1時間後に半分以下の3.81に減少した。
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局所ピークの原因は何だろうか? 可能性として次を考えた。
- 密度の高い放射性物質の雲(大気)が、風に乗っていわき市平を、ごく短時間だけ覆った。
- 測定方法の一貫性に問題があった。
- 半減期が非常に短い放射性物質で汚染された。
- a.については、地上の構造物がほとんど汚染されないということは非常に考えにくい。
- b.については、いわき市平以外でも発生していること、ほぼ同じ時刻に別な地点で発生していることもあることから、やはり考えにくい。
- ということで、c.の可能性が高い。では、どんな放射性物質が考えられるだろうか。管理人が調べた結果、該当するのは、ヨウ素134(半減期 約53分)である。テルル129(半減期約70分)も候補で、原発施設内で僅かながら検出もされているが、1時間で半分以下になっていることから、ヨウ素134の方が可能性が高い。
- このヨウ素134は、3月27日に東京電力が、「2号機のタービン建屋の汚染水1ccから、29億ベクレルが検出された。」と発表したことから、関係者に驚愕をもって受け止められ、再検討の結果「実はセシウム134でした。」と訂正されたいきさつがある物質だ。
- その後、この物質が検出されたという発表は無いが、局所ピークはヨウ素134で汚染された結果であると、管理人は考える。
- しかし、もしそうだとしても、それがすごく問題かと言うと、そんなことはないようだ。ヨウ素134が、例えば頻繁に報道される「ヨウ素131」より悪玉だとの情報は、管理人が探した限りは見つからない。
- むしろ、全ての放射性物質がヨウ素134であれば、「あっという間」に数値が下がるので好ましいだろう。
- 一つはっきりしないのが、「ヨウ素134は核分裂後に何になるか?」だ。セシウムになるらしい情報はあるが。
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4月15日午前8時 |
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4月1日以降のデータで、24時間の移動平均のグラフを作成してみた。「移動平均」は株価分析によく使われる。細かい変動を均して(ならして)、大きな変動の傾向を見るための操作である。
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特に最近1週間の傾向を見ると、次がわかる。
- 微減 :飯舘村、いわき市平、田村市
- 横ばい:福島市、郡山市、南相馬市、会津若松市、南会津町
- 微増 :白河市、福島空港(玉川村)
- 微増傾向が出ているのは困ったものだ。困ったとしか書けないのも困ったものだ。
- 福島大学では多数の地点の測定を実施し、今後更に分析を進める予定らしいので、大いに期待したい。
- 昨日も書いたが、災害にならない程度の「まとまった雨」を期待する。
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4月13日正午まで |
- いわき市平以外は、減少が緩やか・・というか、横ばい状態になってきつつあるように見える。
- このところ、比較的良い天気が続いているが、まとまった雨が降ると放射性物質を含んだ塵が流されて減少するのではないかと期待を持ってしまう。まとまりすぎても困るのだが・・
- 昨日から、原発のモニタリングポストのグラフは、東電さんが開始したので終了している。こちらでご覧になれます。
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4月13日午前8時まで |
- 福島第一原子力発電所に設置されたモニタリングポスト(MP)の測定値は、東京電力によるグラフの公開が開始されたので、掲載は終了します。私の投稿を取り上げていただいたのかもしれない(東電さん、ありがとうございました)。グラフは、こちらからご覧になれます。
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10の市町村のグラフを載せているが、数値は5つのグループに集約されつつある。単位はマイクロシーベルト/時。
- 飯舘村:5程度
- 福島市・郡山市:2程度
- 白河市・南相馬市:0.6~0.7
- いわき市平・田村市・会津若松市・福島空港(玉川村):0.2~0.4
- 南会津町:0.07程度
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4月12日午前9時まで |
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対数グラフを見ると、他とカーブの特徴が異なる地域が三つある。いわき市平、福島空港、南会津町である。
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いわき市平:3月21日の急増の後は、減少度合いが他の地域に比べて大きい。良いことだが、なぜ減少度合いが大きいのだろう? 可能性としては、次が考えられる。
- 他の地域に比べて半減期の短い放射性物質の比率が高い。
- 地上の構造物に捉えられた放射性物質が、他の地域に比べて拡散し易い状況にある。
2の可能性が高いと思うが、要因が分かれば早期に値を下げるためのヒントになるかもしれない。
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福島空港:前にも書いたが、非常に変動が大きい。また、移動平均を見ると、4月に入ってからは横ばい状態である。変動が大きい原因は、風向きが考えられるが、減少が止まったのはなぜだろう?
- 他の地域に比べて、半減期の短い放射性物質の比率が小さい。
- 他の地域に比べて、新たに流入している放射性物質の比率が高い。
- 放射性物質が拡散しにくい状況にある。
- 南会津町:3月15日の急増、そして急減の後は、減少が非常にゆっくりとしている。もともと値が小さく、自然放射能の値に近いことが、減少をゆっくりにさせている原因と思われる。
- 文部科学省は、「浪江町の国道399号沿いの、先月23日から10日までの累積放射線量が、14.48ミリシーベルトになった。」と発表したようだが、郡山市からも福島県からも、この場所の数値は公表されていない。
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4月11日午前8時まで |
- 福島県発表のデータは、夜間の欠落無く公開されていることが分かったので、これまでの欠落も含めて充足して、グラフを更新した。
- 前日までに掲載したグラフで、「田村市」と「いわき市平」で、比較的最近に見られた局所ピークのデータを調べた結果、公開されているデータとコピー後のデータに相違が見られた。修正した結果、局所ピークは無くなった。私の操作ミスが原因と思われる。お詫び致します。
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ところで、掲載しているデータだが、「これらは一体何の放射能を調べているのか?」について、一つ確からしいことが分かったので記しておく。
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出典:原子力安全・保安院が公開している、「IAEAにおける福島第一原子力発電所の事故と国際的な初期対応に関するサイドイベント(仮訳)」
- この出典中に、「大気モニタリング」の測定結果(4月1日測定)が載っており、白河、いわき、田村、新地町、福島、郡山、宇都宮の数値が示されている。各測定点は、対地高度500m~1200mの「雲のない空」である。いずれも、値は非常に低く、最大でも0.04マイクロシーベルト/時だが、この値は、平常時の環境放射能の値である。これは、上空の大気からは放射能は平常時と同じ程度しか出ていないことを意味する。
- 一方で、郡山市や福島県が公開している値は、南会津町以外では、その10倍~100倍の値である。
- つまり、測定している放射能の大部分は、地上の自然構造物と人工構造物に捉えられている放射性物質から出ているものであることは疑いようがない。
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